home
→
→
→
ホッと肩の力を抜ける場所になれたらいい
教えて!地域を選んだ理由

ホッと肩の力を抜ける場所になれたらいい

子育てサロン「いろいろづきいこい」を運営しているMAIさんにお話をお聞きしました。

掲載日 2025年12月3日

いろいろづきいこい
MAIさん
MAIさん

2023年に、世田谷区岡本で子育てサロン「いろいろづきいこい」を立ち上げたMAIさん。始めたきっかけや印象に残っていることなどをお話しいただきました。

子育てサロンを始めたきっかけを教えてください。

子育てサロンがホッとできる場所だった

男の子3人を育てていて、子どもが小さい頃は大阪に住んでいたのですが、毎週違うところに通うくらい子育てサロンが大好きでした。

おじいちゃんおばあちゃんが、昔の歌やメンコのようなザ・日本の昔の遊びを教えてくれる子育てサロンで、私のようにまわりに頼れる環境がないお母さんにも「大丈夫?」「一人で大変でしょう」って必ず声をかけてくれるので、ホッとできる場所でした。

以前は子どもが少し苦手なくらいでしたが、自分の子どもを産んだら、子育てってすごく楽しいと感じました。
赤ちゃんと触れることで自分の気持ちが満たされ、自然と笑顔になることが多くて、子育てが落ち着いたら保育士として活動したいと思うようになりました。

その後世田谷に戻り、保育士資格を取って保育園で働き始めましたが、そこで地域のママから岡本地域には子育てサロンがないと聞き、あんなに楽しいものがないなんて!と思っていました。

「私やります」と言っていた

そのうちに保育園の仕事にも活かせると思いベビーマッサージの資格を取得しましたが、勉強してみるとすごくおもしろくて、保育園以外にも活用したいと考えるようになりました。
そこで特技ボランティアに登録しようと社協を訪れたときに「岡本地域は子育てサロンの空白地帯」と聞いて、「じゃあ私やります」と言っていました。

子育てサロンがないと知ってからずっとモヤモヤしていたし、私自身子育てサロンにはすごくお世話になったので、地域のために何かしたいと思ったときに、子育てサロンをすることで自分がいただいた恩をお返しできるといいなと考えました。

ちょうど近所に築130年の古民家があって、大家さんから「誰も使ってないから使って」とずっと言われていたんです。じゃあ自分がそこで子育てサロンを開けばいいのではと思い、点と点がつながった感じでした。

ベビーマッサージの活動がきっかけで社協へ

現在どのような活動をしていますか。

子育てサロン空白地帯で始めた「いろいろづきいこい」

毎月1回「いろいろづきいこい」という子育てサロンを開催しています。
参加者は0~1歳のお子さんを連れたパパ・ママが多く、毎回10組20名くらいの方がいらっしゃいます。

私が保育士として得意としているわらべうたや手遊び歌、絵本の読み聞かせの活動のほか、英語リトミックや離乳食を作っている方など、毎回講師の先生をお呼びして、お話会をしていただいています。

せっかくお子さんを連れてお出かけしてくださったので、「今日来てよかったな」と思っていただけるようなお土産を、お話会という形で提供しています。

この日はファイナンシャルプランナーの方によるお話会

テーマは子育て世代向けマネーセミナー

これまでの活動で印象に残っていることはありますか。

ママの言葉に、思わず一緒に泣いてしまった

活動中に涙を流してしまうママがいました。

近くに寄り添っていたところ、「まわりに手伝ってくれる環境がなく、ずっと一人でやんちゃな子を育てるのが正直すごくしんどかった」と。
「誰かが自分の子を追いかけたり、抱っこしてくれる姿をはじめて見て、とても嬉しい」と涙ながらに話してくれました。

「行っても迷惑をかけるのではと考えていたけれど、実際に来てみたら自分自身が開放される場所でした」という言葉にとても感動して、私も一緒に泣いてしまいました。

私もずっと男の子を育てていたので、ママの気持ちがすごくわかります。
やんちゃだからすぐほかの子に手を出して、すみませんすみませんと謝ってばかりで。

そんなとき子育てサロンで「こういうところはいいのよ」「もっとリラックスした方がいいわよ」と言われたことを思い出して、そんな一言ってありがたいことなんだなと思いました。

おもちゃを作ったりお話したり、みなさん思い思いの時間を過ごしています

子育てサロンを運営する側になって感じたことはありますか

子育ては簡単に孤独になってしまう

子育てって、簡単に孤独になってしまうんですよね。

体調を崩したらおでかけもできず、2人きりの世界が何日も続く。私も子育て中は「もし何かあっても誰も気づかないな」なんて考えることもありました。
だからこそ積極的にいろいろな場所に参加して、自分の生存確認ではないですが、「あの人来ないな」と思ってもらえたらありがたいですよね。

サロンを運営する立場になって、間隔が空いた方には連絡するなど、少し心がけるようにしています。

ただ実際は、アピールしないと気づいてもらえないことが多いと思うので、しんどいときは言ってもらえたら嬉しいです。
「子どもと離れたいから抱っこしてもらえますか」「今日つらいのでお願いします」と言ってしまっていい。
私も、子育てサロンを手伝いに来てくれる方も、みんなお子さんが好きなので、喜んで見てくれると思いますよ。

絵本の読み聞かせをするMAIさん

活動のやりがいを教えてください。

息子たちがいつの間にか成長していた

1つは、息子たちが私の活動を応援してくれていることです。

学校がお休みの時期は手伝いに来てくれて、あやし方も上手だから、赤ちゃんがみんな息子たちのところに行きますよ。

一緒に何かやろうと家で読み聞かせの練習をすることもありますが、「この絵本にしよう」「こんな風に読もう」なんて、自分たちで考えて練習しています。いつの間にか成長していました。

私が子どもの頃はそういう機会がなかったので、自分の息子たちをちょっと尊敬しています。

ママたちの助けになっているのかな

もう1つは、やっぱり地域のママたちに感謝してもらえることです。

お仕事復帰で卒業される方が、お礼を言いに来てくれたことがあります。
その方もまわりに頼れる環境がなく、出かける場所もないと諦めていたそうですが、近所に子育てサロンができて、行けばいろいろなお話が聞けて、私のようなおしゃべりなおばちゃんが話を聞いてくれる。
「とてもありがたい環境で、子育てに彩りを添えてくれてありがとうございます」と言われたときは、嬉しくて泣いてしまいました。

月1回の活動ですが、ママたちの助けになっているのかなと思えています。

会場は築130年の古民家

開放的な空間で参加者のみなさんをお迎えしています

これから活動を始めたいという方へメッセージをお願いします。

生活のなかで無理なく、細く長く

ご自身の生活を1番に考えて、活動できるか判断されるのがいいと思います。

私は保育士をしながら子育てサロンや他のボランティア活動を何年か続けましたが、月1回の開催にすることで、時間がある時に準備をして、その1回を必ず楽しめるようにしてきたから続けられたのかなと思います。
毎週などだと自分のなかで追い込むものが増えてしまうので、まずはハードルを低くして始めると、細く長く続けられるのではないかと思います。

実はいま「いろいろづきいこい」もボランティアさんを募集中なんです。

お子さん連れの方もいいなと思っていて、自分の活動している姿を見せるってなかなかないですし、お子さんにとっても楽しい場を手伝う経験が自信にもなると思います。

参加者も安定して増えてきたので、お手伝いしてくださる方がいたらいいなと思っています。

関連事業ページ

↑